貴方の居ない世界なんて、そんなの壊れたも同じです。

スロゥ ブルー ラプソディ







ぽっかりと晴天の、きらきらと庭の樹葉に反射する朝の光、窓に架かった薄いカーテンはちっとも其の本来の役割を果たしてはいないよう、部屋に満ちる陽光、こんな清々しい朝なんてホント久しぶり、だのにオレの隣でオレの愛しい愛しいあの人は、何故だか冷たく硬く、ひっそり静かに死んでいたのだった。
どうしてなのか、ちっとも理解なんて出来やしなかったけれど、そのこんがらがった頭は可笑しいくらい、其の死というモノを彼の死というモノを、只見ていた。
部屋には明るい朝の陽光が、ゆらゆらとカーテンを揺らす風、窓の外は至極牧歌的に、いつもの朝、此れは果たして夢だろうか、何故いつものようにおはようのキスも無い、オレはもう目覚めているというのに其の横で、冷たく眠る彼、どうしてどうしてどうして。


ゆらりゆらりと日は昇る、一日は始まり、いつもと同じように淡々と、いつもと同じ朝。カカシは冷たくベッドに横たわり、其の氷の様な肌、開かれない双眸、イルカは途方に暮れた様に起きてねえ起きてと、繰り返す言葉繰り返すくちづけ、冷たいベッドの上で、部屋には次第に夕闇が近づいて来ていたが、相も変わらずねえ起きて、とイルカは壊れたレコードの様に呟いて、寂しく暮れる其の日の空は、やっぱりいつものように、一日はこうして終わってゆくのでありました。





2005.02.09