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2011/02 03 05 06 07 08 
2012/03 
2014/08 

20061029(Sun)  バトンです。
clip_3.jpg 256×206 82Kえーとヤギから。
デスクトップバトンです。

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■Q1、あなたのデスクトップを晒して、一言どうぞ。
目に悪い…。

■Q2、OSは何?
windows2000です。ビスタが出たらのせかえます。

■Q3、これはあなた個人のパソコン? 職場や家族共有のパソコン?
私個人のです。初めての個人PCかな。この前のは母親のを奪って私物化していただけだったので。
弟に作ってもらいました。アキバに買出しに行ったよ。

■Q4、この壁紙は何? どこで手に入れた?
ふと作ったガトーショコラ。

■Q5、壁紙は頻繁に変える?
ごくたまに。めったに変えません。大抵何かしら立ち上げていて、あまり壁紙見ないので。

■Q6、デスクトップのアイコンの数はいくつ?
48個

■Q7、ファイルやショートカットがゴチャゴチャしているデスクトップ、許せる?
むしろデスクトップアイコンが多い方が使いやすいので…。
でもショートカットアイコンはあまり好きじゃないです。職場のPCのショートカット一掃してやった過去。 結局どこにあるファイルなのか自分が分かんなくなっちゃうのが嫌。
ファイルはばんばん置いちゃいます。

■Q8、何かこだわりはある?
特には。

■Q9、今回、このバトンが回ってきてからこっそりとデスクトップを整理した?
KAEさんと同じくで自分の名前ついているフォルダあるんですけれど、まあここまで小さければ見える人もおるまいと放置。
このバトンでというわけではないですがふと見たフォルダがいらなかったりお前ここにいるファイルじゃないだろだったりで、5個くらい消したかな。もっとかな。7GBくらいのフォルダを捨てたりしてました。っていうか捨てたはずなのに今ゴミ箱から無くなっていて、わけがわからないんですけれど。なんでー。
壁紙は、ちょっとあれなやつだったのであれじゃないのに替えましたよと。
見られて恥ずかしいとかじゃなくて、公開しちゃならんやつでしたので。エロじゃないよ。

■Q10、最後に『この人のデスクトップを覗きたい』という5人+α
もう全部回ってるんじゃないでしょうか。
回ってなければ西門さんとちゃあさん。


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こっちはKAEさんから。
管理人連想バトン。
実はあちこちから回ってたんだけれど、最初に見たのがKAEさんとこだった。

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<ルール>
『自分の知っている管理人様の連想バトンです。
当てはまる管理人様の名前を記入して下さい(何回でも可)
名前を記入された管理人様は必ずバトンをやること。
一度やった管理人様はやらなくていいです。』

■名前(HN)
マキ

■知人に言われた性格
感性が乙女で思考がオヤジだと面丸さんからしょっちゅう…。

『連想(知人管理人さんのお名前)』
■かっこいい……けろぽんさん
■可愛い……うーん笹
■乙女……華総さん
■優しい……皆優しい。
■楽しい……西門さんとおさ
■個性的……コウさんと毛
■天然……ツネさんとカイナと絹さん
■腹黒……腹黒な知り合いいない…多分…。気付いてないだけか?
■変態……おさ相手が一番あけっぴろげな変態トーク繰り広げられます。
■子供……ある程度わきまえた方ばかりなので。
■大人……エカさん
■ツンデレ……笹
■萌え……KAEさんの腰のラインとか
■尊敬……皆すごい。

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面丸さんから。
貴方ならDOします?バトン。
なにこれ。
けろぽんさんとこで見てたけれどよもや自分にくるとはー。

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▼仄暗い水の底から【靴下のみのカカシ】が現れたよ。

とりあえずその場で靴下は脱いでもらって、お風呂場までタオル敷いてその上を歩いてもらって、全身くまなく洗ってもらってから30分程お風呂で温まってもらって、出てきた良い匂いのカカシをラグの上に座らせたら、後ろに椅子を持ってきて私はそこに腰掛けて両足でカカシをホールドしつつドライヤーかけます。
靴下はレノアで洗う。

 
▼ゲームしてたらTVから【靴下のみのカカシ】が現れた。

サイズは?
普通サイズがいいです。とりあえず着せ替えごっこかな。ホログラムじゃないですよね。スカッてなったら怒る。ホログラムだったらごめん、その場で自慰してもらうくらいしか思いつかない。 


▼気が付くと三途の川に居た。川の向こうで【靴下のみのカカシ】が手を振ってるよ!
 
えええなんで靴下だけ?そういうルール?と困惑しつつ向こう岸に渡って聞いてみて、そういうルールだといわれたら仕方ない、私も脱ぐ。まあ呼ばれたら渡りますよね。


▼夜中に眼を覚ますと枕元に【靴下のみのカカシ】が!
 
布団に引きずり込みます。据え膳でしょ?


▼間違い電話で【靴下のみのカカシ】から電話が!

それは電話口で靴下だけなんですけどって言うんですか?本人が?
寒がっているようなら上に着ることを薦めます。衣服を身につける音を聞いて楽しむ。萌えますよね。
 
 
▼女神様の右手にはR-100禁のBL本、左手には【靴下のみのカカシ】が!どっちを取る?

R-100ってもう枯れ果てている気がします。カカシの方がいいじゃないですか。R-100レベルのことやってもらえばいいじゃないですか。


ほんじゃまあ、西門さんへ。

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そんなこんなでバトン消化。


20061029(Sun)  おわったあとに。
水曜の夜から嫌な予感がしていて、木曜の朝は風邪を引いたっぽいだるさを自覚しつつコンタックとイブをチェーンドーピングしつつ一日を乗り切って、明らかに普段と違う己の体調に不安を覚えたので、仕事帰りに医者に行ったら体温が38.3℃をマークしていて、死ぬほど驚きました。行ってよかった…。
その後夜中までに最高38.7℃をマークしつつも自分の中で決めた39℃のラインには到達しなかったので、金曜日も仕事行ったんですけれど。
今回楽だったのが、熱と悪寒と咽喉の痛みだけという症状、普段はこれに頭痛とか鼻詰まりとか諸々加わって死んじゃいそうになるんですけれど、お腹も普通だったし食欲もあったし、私本当に病人?という気分で乗りきりました。
金曜日も、朝ご飯におかゆを食べたらもう途中でお腹が空いて空いて、賄の前に自分の買いだめおやつの中からティムタムをぼりぼり食べてさらにチョコウエハースを食べていたら隣りで上司が「お前は本当に病人か!」とツッコミを入れてきました。いや熱は相当あったんですよ…。
そんなこんなで、高熱出してましたよと。

そんなご報告。

咳が残っていて、ちょっと辛いです。


20061024(Tue)  さなしま練習中。
続きっていうかね。


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『中華街まで』

結局、真田はその後真っ白なドアの向こうから妙に間延びした呼ばれ方で順番を告げられるまで、嶋本にかなり近寄った姿勢を微動だにしなくて、普通だったら筋肉が悲鳴を上げそうな姿勢を長い時間保っていられるのはいられるのはさすが隊長、などとちょっとずれた事を考えながらも嶋本は一人でぼんやりと待合室の長椅子に腰掛けて、真田の入っていったドアをじっと見つめて真田の出てくるのを待っていた。
さっき壁時計が19時半を知らせる鐘をひとつ鳴らして、もう外はすっかり夜だろう、今日の夕食はどうしようかと漠然と考える。多分打たれているであろう真田の麻酔が切れるまではどうにも食べる事は出来なさそうだったし、切れてからも普段のようになんでもいいというわけにはいかない、何か柔らかい物を、とそこまで考えたところで目の前のドアががちゃりと開き、その向こうからよく見知った顔の男が、あまり見たことのない表情で出てきた。

「…大丈夫ですか」

少し肩を落とし、痛い、と一言うめいてそれ以上喋る気力も無いらしく、真田はこの人にしては珍しくどさりと体を投げ出すように嶋本の隣に腰掛けた。
麻酔を打った真田の口元は普段の引き締まったのとはちょっと違うラインで、横目でちらりと観察した嶋本は、その上の寄せられた眉につられて少し顰め面になって、それ以上何も言わなかった。
待合室には相変わらず同じ曲が流れ続けていて、どうやら同じCDをリピートでかけ続けているらしい、先程聞いたのとまったく同じ旋律が唐突に耳に飛び込んできて、先程を思い出して嶋本は少し赤くなった。赤くなって、慌てて隣を窺う、幸いにも真田は自分の口腔内の事に気を取られていて嶋本のそんな様子には気付いていなかった。
(なんで赤くなってしまったんやろ)
真田の顔なんて見慣れているはずなのに、思い出せば心なしか鼓動も速いようで、嶋本は非常に困ってしまった。
唐突に音楽がふつりと途切れる、え、と思って見回せば丁度出てきた受付の女性スタッフと視線があった。にっこりと微笑まれて、紅潮していた自分の様子に気付かれただろうかと少し焦る。スタッフの視線はそんな嶋本をすいと通り過ぎて、さなださーん、と軽やかに隣の男の名を呼んだ。

はい、今日のお会計は3040円です。それと今日はお薬が出ますのでこちらの処方箋を、ここを出て右に行った角の薬局で出してください。痛み止めと化膿止めですね。詳しい説明は薬局の方でもされると思いますが、化膿止めは毎食後に、痛み止めの方はどうしても痛い時に、一日2回まで飲めますので空腹時を避けて服用してくださいね…。

ああきっとさっそく飲むんやろなあ痛み止め、と嶋本はぼんやり、長椅子の上でスタッフの妙に明るい高い声を聞きながら思っていた。真田はといえば、きちんと聞いているのだろうか、元気無く曖昧に頷いている後頭部を眺めて、今からでも真田の隣に並んで一緒に説明を聞いた方がいいのではないかと嶋本は思ったが、なんとなく立たないまま、気付けば夜の道を二人並んで歩いていた。

「痛みますか?」
「痛いというより重い」

ここが、と自分の頬を手の平で包んで真田が言った。なんとなく滑舌悪く聞こえるのは、やはり麻酔のせいだろうか。夕飯どうします、と問うとなんでもいいからあまり口を動かさなくていいもの、となんとも難しい答えが返ってくる。うどん、と思ったが関東のうどんはつゆが濃すぎて自分がどうも好きではないので、それならばいっそ帰って作るかとも考えたがそれにしては時間が遅すぎる、ならば、と嶋本は少し歩いてもいいですか、と真田に聞いた。

「お粥、食べに行きましょう」

横浜なのだからここはひとつ中華粥でも、と嶋本は中華街にある老舗の粥屋に行くのが良いのではと考えたのだ。嶋本の気に入りの店だった。あそこならば本店が行列でも近くに支店もあるのだから直ぐに入れるだろう。今日は平日なのだし。
中華街までは真田と嶋本の足ならば30分も歩けば着くはずだった。もとより乗り物に乗る事など考えてはいない、歩いた方が早い、と思うのは半ば観光地化した横浜中心部の混雑事情と土地感のある自分達を知っていれば当然の選択だったし、真田もまたそれを当り前のように、分かった、と短く一言答えた。
そのまま人通りの多い明るい通りを避けるように電灯のあまりない静かな道を、肩を並べて歩いた。時折ちらりと伺い見上げる真田の横顔は月明かりに照らされて、いつもと同じように無表情に真っ直ぐ前を見つめていたけれど、それがいつもの同じでない事が嶋本には簡単にわかってしまっていた。
(痛いんやろなあ)
微かに眉間を寄せるようにしている、そんな真田を気遣うように嶋本はいつもより少しだけ歩調を緩めて歩いた。それに気付いているだろう真田も、何も言う事なくいつもよりほんの少しだけゆっくりと歩いていた。

「さっきの」
「なんですか」

唐突にぽつりと真田が呟いた言葉に、驚いて嶋本は真田の方を見た。
いやなんでもない、と真田はもう一度ぽつりと呟いて、だから嶋本は真田が何を言いたかったのか、目的の店についてそれから帰宅するまでずっと、わからないままだった。

++++++++++++++++++++++


喜んでもらえたのでさっそく書いてしまった。
アホな子だわ。
ところでこの二人ってどこ住んでるの?
わかんないまま舞台は横浜です。


20061023(Mon)  クリスマスケーキ。
予約しました。2日分。
ピエールエルメが23日でジョエルロブションが24日です。
いやだって…デパートいい店揃えてくるんだもの…選べなかった…。
むしろ選んだ結果ですよね。がんばりました。

ところでグラマシーニューヨークの栗と和三盆のロールケーキが、とても美味しいのですがいつも私が行く夕方の時間には長蛇の列だったり売り切れだったりして買えないのですよね。
今日は雨だったからか、月曜日だからか、それともいつもより早い時間に行ったからか、行った時に誰も並んでいなくてロールケーキもいっぱいあって、買うことが出来ました。
帰って食べたらやっぱり美味しかった。
生地の絶妙な食感が素敵です。
甘さも丁度良い。
買えて嬉しかったのですが、実は私の好きなロールケーキはもういっこあって、シーキューブのロターレのチョコレートなんですけれども、こちらもいつもは売り切れなくせに今日は2本もありまして、なんで今日なのよとちょっぴり悔しかったです。
2本はさすがに…。太る…。
またの巡り会いを祈って。
シーキューブの方は通年商品なので、グラマシー先に覗いておいて良かったなと思っていますが。
期間限定をせっせと食べないとね。
来年あるか分かんないですし。



瞬くように微笑むように〜 ちょっとだけ続き。
久し振りに書いたので文章が決まんなくて焦りました。
決まんなかったのでホントにちょっと。

++++++++++++++++++++

座って。優しい黒い目の人は、寝台に腰掛けてあたしを呼んだ。

こっちへおいで○○。

…え?口が動いて確かに何か言ったのだけれどあたしにはそれが聞き取れなかった。ねえ今なんて言ったの。なにを言ったの。イルカさんはもう一度ゆっくり口を動かしたけれどやっぱり聞き取れなかった。そこだけがぽっかりと、まるで一瞬世界から音が消えてしまったように、あたしにはイルカさんがなんて言ったのか分からない。
あたしがそう告げたらイルカさんは、ああなんて目であたしの事を見るんだろう、顔をくしゃりと歪めて、そうして手を伸ばして、立ち尽くしたままだったあたしの腕を優しく引き寄せて、もう片方の手でそうっとあたしの頭を撫でてくれた。温かな、大きな手だった。

君の本当の世界に、君を戻してあげよう。

イルカさんは確かにそう言った。そうして小さな声で、君の名は?とあたしに尋ねた。あたしの名?名前ってなんだろう、そうだきっとママが知っている。この部屋に来る男の人は、一晩経ったらもう二度と来ないからあたしの名を知らなくったって仕方ないわ、でもママなら。
ママはあたしの事をなんて呼んだだろう、なんて呼ばれたっけ。どうしようママはいつもあたしの事をお姫さまって呼ぶわ、ねえこれは名前じゃない?そう聞くとイルカさんはちょっと泣きそうな顔でそっと首を振った。ねえそんな顔をするのは何故?ちらちらとロウソクの光が揺れる、いつものようにちりちりと微かな音を立てて、少しずつ短くなってゆく。蝋の溶けて燃えてゆく鼻につく匂い。いつもの夜。でもいつもとまったく違う夜だった。
黒々と壁に踊る影、イルカさんの真っ黒の髪は影になったらより一層黒くて、怖いくらいに大きくなって壁に広がっていた。窓に映るのは今まで来た中で一番優しくて一番悲しそうな、普通の男の人だった。ロウソクの光に朧に照らされて、あたしはどうしたらいいのか、ひどく小さな姿に映って見えていた。
名前、どうしよう名前が思い出せない。分からないの。ママに聞いて、そうよママは知っているはずだもの。私はちょっと忘れてしまったけれど。
多分君の名をママは知らないよ、イルカさんは静かに言った。君の名前を君のママは知らない、だからあれは君のママじゃない。

え?

なんだかひどい既視感に襲われて、やっとあたしは気が付いた。
そうださっきも同じ事を言われた、いつの間にかいなくなっていたあの銀色の髪の男の人に。

++++++++++++++++++++++++

そのうちまた続きます。続けます。


下のBL、あまりに設定考えていなさすぎてひどいので、書き直そうかと思います。
きちんと最初から。
いや腹痛で臥せっている西門さんから読みたいと熱心なリクエストをもらったので。
寝てるから暇なんだね…。


ちゃあさんがさなしま気に入ってくれたようで嬉しい。
ちゃあさん用に書きました。
また書くねー。喜んでもらえると嬉しいオタク心。


あ、バトン。
は明日で。


20061022(Sun)  ううん。
西門さんと熱く語ったBLシチュエーション。
いざ書いてみるとなかなかにこれが難しいんですね。


+++++++++++++++++++++++++++++

抱き寄せてキスをして、なんていうのは恋人だったら当然だと思う。たぶん。きっと。



『公園にて』


空が抜けるように青かったり、傍らをすり抜ける風に枯草の匂いを感じたり。
秋っていうのはそんな身近にささやかな事から、じんわり身体に染み込んでくる季節のような、自分にはそんな気がする。
なんとなく座った公園のベンチ、呆れるくらいに広い目の前の広場はさっきまで、危なっかしい足どりで走り回る幼児やその母親達でけっこう賑やかだったけれども、近くの小学校から響いた夕方の多分下校のチャイムの音、キーンコーンカーンコーンという耳に馴染んだそれが合図だったみたいにまるで波でも引くように、こちらがぼんやりしている隙にいつの間にかもう誰もいなくなってしまっていた。
空気に茜色の気配が混じってくる夕暮れ近く、空の色もさっきまでの澄んだ青じゃなくて、じわりじわりと夕焼けとそして夜にと、変化していく様がなんとなく読み取れるような色、そんな時間帯だった。
同じベンチの隣りでは、並んで腰掛けた真野がさっきからなんにも言わないから、だからこちらもぼんやりといつまでも空を眺めていた。
秋の風はもう大分冷たくて、剥き出しの頬からじわりと体温を少しずつ持ち去っていたけれど、半月前の衣替えで4ヶ月ぶりに着た厚地の制服のジャケットは身体をしっかりと包んでいたから、実際それほど寒いとは感じていなかった。
ちらりと横目で隣を窺えば、真野もまた、先程までの自分と同じようにぼんやりと夕暮れに変化していく空を眺めていた。
その睫毛が西日に透けて金色に見える、唐突にそんな事に気付いてしまって、ついでに彼の光彩が随分と淡い色をしているのとか冷たい風に少し赤くなった頬だとか、気付いてしまえばもう目を離せなくて、なんだかずいぶんと困ってしまった。
「なあ」
ひっそりと声を掛けると夢から覚めたみたいに、こちらに顔を向けて焦点を合わせてくる真野の視線に少し戸惑う。
なあに、と少し舌ったらずな口調で呟いた彼の、小さな頭を覆った柔らかな髪の毛も光に透けて綺麗に丸い金色の輪郭を描く、その向こうにこちらも鮮やかに金色な銀杏の大きな木が、青さの残る空を背景に凛々しく立っていた。
風が二人の間をすり抜けていく、それが真野と自分の距離を広げている気がしてたまらなく、気付けば腕は真野を引き寄せていて、彼の舌ったらずな言葉を奏でる柔らかな唇が目の前にあった。
「…え」
どうしよう、とか、言い訳を、とかそんなこと考える余裕も無く、果たしてこれは自分の意志だったのだろうか、まるで自分のものではないみたいに腕に勝手に力が入る、真野の顔がもう少しだけ近くなった。
「ねえ、ちょっと」
彼の甘い声がすぐ近くで聞こえる、触れあった身体のあちらこちらから響いて伝わってくる、そんな当り前のことに、とてつもない嬉しさを感じた。
秋の風に冷えていた表面にひやりとしたのは一瞬だけで、あとからじわりと彼の温もりが制服の厚い生地を通して伝わってきた。
なんだか鼓動が少し早い気がして、でもそれが自分のものか彼のものなのか、触れ合う部分が多すぎて混じりあっていて分からない。彼の顔がゆっくりと近づいてくる、そんな気がした。
「ねえってば!」
不意に真野の身体が強張って、ぐいと身体が押し離される。彼の腕が強く突っ張ってこちらを押しのけようと頑張っていた。
「なに考えてるのおまえ。何しようとしたのさ。もうちょっと場所とか考えた方がいいよ。バカじゃないの」
真野の甘い舌ったらずな声が、強い口調でまくし立てる。さっきまで触れ合った部分から直接感じていた彼の声が、空気を振動させて耳に響いてくる。
バカと言われて、力一杯拒まれて、一瞬どうしようもなく落ち込んだけれども目の前の真野の顔、西日に照らされた錯覚なんかではなく、頬が赤く耳まで染まっていて、そう気付けば口調もどこかいつも怒っているのとは少し違う。ああなんだ照れているのか、そう思ってでもそれを口にすれば今度こそ思いっきり嫌われてしまうから、さっきの気分を思い出してどうしようもなく落ち込んだ表情を作って、しょんぼりと彼に回した腕をそっと外した。
瞬間、真野の顔が不安に揺れて、ああやっぱりと確信して駄目押しのようにごめんと小さく呟いてみせた。途端に、どうしようと泣きそうな顔になった顔が視界の端に映る。
きっと彼の頭の中は今、拒んだ事への後悔と腕が離れてしまった寂しさと、言い過ぎたかなという反省と嫌われるかもしれないという不安、そんなものが渦を巻いているに違いない。自惚れるわけじゃないけれど自分が彼を好きだっていうのと同じくらい彼も自分を好きだっていう自信ならあるから。
だけど真野の方にそんな自信はなかったらしい。
「…ねえ」
ほんの短い間にも、空の色は刻々と変化していく、先程までの青はもうすっかりと藤色と群青の混じったような夜の空の色で、西の方角が鮮やかに赤かった。
真野が話し掛けてくるまで、無言でただ公園のベンチに腰掛けている男子高校生二人、曖昧に向かい合った姿勢で微妙に距離を置いているのは、傍から見れば随分と興味をそそられる代物だったと思うが、幸いにというか夕方には人気の途絶えるこの公園に今の時間人目は無く、ここをねぐらにしているらしい野良猫が1匹、にゃあと鳴いて茂みを滑り込んで行っただけだった。
「あの…」
真野はなんだか不安そうに揺れる瞳でこちらを覗きこんでくる。その表情すら可愛い。でもそんな顔をさせたいんじゃない、真野が自分を好きな自信ならあったけれどもどうすれば真野が笑ってくれるのかちょっと分からなかった。
もう一度抱き寄せて、冷えてしまった頬や背中や、触って温めてあげたかったけれどもさっきそれを嫌がられたのだから、どうしようもない。
「そろそろ行くか」
辛うじて隣に座った真野に届く程度の声で呟いた自分の、固い口調にバカだなと思った。気にするなと言ってみせて、実際気にしているのは自分だと気付く。
たかがキス、でもそれをしたがっていたのは自分だけなんだろうかと、くだらない考えが頭をぐるぐると回って、こんな場所でなかったら真野はきっと嫌がりはしなかったと分かっていたから、嫌がらせてしまった自分にむかついた。
「ねえあの、怒ってる?」
返事もせずに立ち上がったら縋るような声が後ろから掛けられた。今どんな顔をしているかなんて簡単に想像がつく、見たくないから振り返らなかった。
「ほら行くぞ」
伸びをする振りをして気持ちを切り替える。場所がまずかったのなら今度はもっと人目につかないどこかで、もう一度抱き寄せてみればいいと、そう考えた。
先日思いが通じ合ったばかりの同級生の真野とは、今までも一緒にいることは多かったけれどもそういう意味で一緒にいた経験は無いに等しかったし、実際キスだって、さっきのが上手くいっていればファーストキスだった、そんな具合なのだ。
性欲著しい男子高校生に我慢というのはかなり難しかったが、
(まあ気長に待とう)
真野には笑っていて欲しかったから。
ゆっくりとした動作で足元に放り出されたまんまだったスポーツバッグを片手で拾って、歩き出そうとしたら軽く後ろに引っ張られるような感触があった。
今度こそ振り返ったら真野が制服の裾を握ってじっとこちらを見つめていた。頬が赤いのが果たして西日のせいなのか寒いからなのか、見つめてくる薄い光彩の柔らかなグレーに、心臓がどきりと揺れた。
「…おれんちくる?」
「は?」
唐突に投げかけられた言葉に、一瞬本気で意味が理解出来ずに間抜けな声が出る。こちらの返事に苛立ったように「だから」と真野は怒ったように早口で言った。
「場所考えろっておれは言ったの!」
目の前の真野はいつの間にか頬だけでなくすっかり耳まで赤くて、西日に照らされた彼の髪がそんな顔を金色に縁取っていた。
怒る表情が可愛くて思わず抱き締めてしまいそうだ、そんなことを言ったら真野はきっと口も聞いてくれなくなってしまうだろうけれど。
公園に吹く風は冷たくて、秋の夕方特有の一気に落ちこむ気温と乾燥した匂いが、夕暮の気配に紛れて周囲に満ちている。
視線を下ろした先に真野の丸い小さな頭、柔らかな髪の毛は4月のクラス替えで同じ教室の彼の後ろの席になった時から、触ってみたいとずっと思っていた。それが、風にふわりと揺れて誘っているように見える。
ああもうなんて可愛いんだろうと、ぼけっとそれを眺めていたら真野の方から、焦れたようにこちらの腕をつかんでそのままずかずかと歩き出したから、バランスを崩しそうになりながらも慌てて後を追う。
風に揺れる髪の毛が目の前でふわりふわりと揺れている。
教室のあの席で、彼の後ろ姿をずっと見ていた、今の距離感はそれとよく似ていると思った。違うのは強く握られた腕から感じる真野の体温。あの頃は知らなかった。


++++++++++++++++++++++++++++

こんな感じでいかがでしょうかね西門さん!
BLって難関だわー。


20061013(Fri)  13日の金曜日。
ですねー。
何があるというわけでもないですが。
なんだかデスノの13巻が出るらしいとか。狙いすぎ…!


さなしま練習中。
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『歯医者で考える、いくつかのこと』



「そんな言われたかて、どうにもなりませんよ」

他に人のいない待合室は静かで、先程から自分の発する声と相手の返す低い声色、それからこういった場所にお決まりの、静かなクラシック曲が止まる事なく流れ続けていた。

「いやでも、本当にもうなんともないから」
「ここに来るちょっと前まで、痛い痛い言うてたのは誰ですか?」
「それはオレだが」
「ほんならもう、小さい子みたいに駄々こねとらんで、男らしく腹くくってください」

無機質な白い壁に囲まれた待合室で、扉に隔てられた隣室からは時折、甲高い金属の耳ざわりな音が微かに聞こえてくる。それから独特な、薬品の匂いと。
真田が、歯医者嫌いだと知ったのは今日のことだ。今朝の出来事を思い出して嶋本は小さく溜息を吐いた。真田の、特に生えてくる様子もなかったから気にしなかったという親知らずが、どうやら歯茎の下で着実に伸び続けていたらしい。朝ご飯も食べずに眉を顰めていた彼に「どうも痛いのだが」と告げられた嶋本は最初心配し、それから呆れ、最後には怒って真田をこの歯医者へと連れてきたのだ。あくまでも歯医者には行かないと言い張る子供のような姿は、思い出せばなんとも笑いが込み上げてくるようなものだったが。

「歯医者は嫌いなんだが…」

諦めきれないように呟く真田を横目でちらりと見つめて、嶋本はやれやれと目を閉じる。流れているクラシックの、曲名は知らなかったが嶋本はこういった柔らかな曲を嫌いではなかった。時折繰り返される主題の、短い旋律を一つ、そっと口ずさむ。診療時間ぎりぎりに飛び込んだこの歯医者では、予約の患者も今治療を受けている人で最後なのだろう、受付に先程までいた若い女性スタッフの姿も無く、自分達だけまるで取り残されたような白い部屋で、どうして歯医者の受付には若い女性が座るのだろうかとぼんやり考察してみる。と、隣りの影がゆらりと動いた気がした。視線を動かすと、隣にしょんぼり座っていたはずの真田がいつの間にか嶋本を、覗き込むような姿勢で寄り添っている、嶋本は慌てて、

「どしたんですか」

と聞いた。歯が痛むのかと、そう案じて聞いたというのに真田は、

「この曲が好きなのか」

などと、てんで違うことを聞く。人が心配しているのに、この人はいつも、こちらが思っていることの斜め上をすり抜けるような思考をするのだ。

「曲名は知らんのですが」

答えないとあとが怖い。それでなくても嶋本に、真田の質問を無視するなんていう選択肢は初めっからなかったから、嶋本は大人しく答えた。
あとちょっと、我慢してこの待合室で待っていてくれればいいのだ。いい年した男の付き添いに自分が来ている理由は、真田が逃げださないよう監視するため、その一言に尽きた。
好きだ、と答えた嶋本の口元をじっと見つめ、何を考えているのか真田は一言、「そうか」と答えた。
漂う薬品の匂い、甲高い音はまだ続いている。聞こえる度に、気付いているのか小さく眉を寄せる真田の顔を、実はさっきからこっそり見つめていた、その顔が今目の前にある。

「あの」
「なんだ」
「もうちょい離れてください、隊長」

真田の頭越しに見える真っ白な壁が、瞼に痛いほど白かった。真田の顔は相変わらず何を考えているのか分からずに、それでも律儀に時折寄せられる眉がなんだか面白くて可愛くて、嶋本はどんな顔をしていいのか分からなかった。


20061013(Fri)  いつのまにやら。
新しい仕事先で2回お給料が出ました。
そうかもうそんなに…。
2回目は明日なので、厳密にはまだ出ていないのですが。
明細もらうと、出た気分になりますよね。
ところでその明細、今回は一月分フルに出ているので私を誘ってくれた上司が、どんなものかと覗いて、ショックを受けておりました。
うんまあすごく少なかったんですよね…なんとなく分かっていましたけれど。
上司は誘った手前、とても申し訳なく思ってしまったらしい。なんとなくこちらのほうが申し訳ない。
ただ、休日出勤を3日間しているのでもうちょっと多くてもいいんじゃないかと私も思った。
休日出勤で25%増しって少ないですよね。今の会社に変わる前は35%増しだったらしいです。
ころころ経営母体が変わる会社です。迷惑。
とりあえず、首都圏でこの給料ではマジで生きていけません。フリーターのがよっぽど稼いでいると思う。
副業を持つべきでしょうか…。

何て事を考えつつ、のらりくらりと生きております。


11月の頭の、リボーンオンリー合わせで原稿期間に突入します。ぎゃー間に合うのか…!


ちょっとコメント欄作成中。



む、難しい…。今日のところは見送りで。


20061011(Wed)  書けるかなどうかな。
たまには短文でも。

眠気に負けるまでちょっと書いてみます。ホントに短いやつ。

三連休、結局全てイベント参加してきたのですが、場の空気というか満ちていたやる気というか妄想力というか、そんな諸々に触発されまくってまいりました。作りたい作りたいうずうず。

遊んでくれた方々、本当にありがとうございました。


ゆこの絵1164番を見ながら。↓
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『これも日課』

帰宅した時。
おかえりなさいと出迎えてくれたイルカさんを、そっと後ろから抱き締めると、イルカさんはちょっと困ったように首を後ろへ向ける。
オレの顎はイルカさんの肩にのっけてあるから、丁度キスする寸前のような距離だ。
その、もう少し頑張ればオレの唇がイルカさんのそれの端にくっついてしまいそうな距離で、イルカさんは、
「何か御用ですか?」
と、そう言う。
用事が無ければどいてくださいと言わんばかりだ。
だからオレはもう少し腕に力を込めて、オレの腕が回されたイルカさんの腰のあたりをぎゅっと閉じ込めて、もう絶対逃がさないぞって思いながら、こう囁く。
「ただいま」
これでもかといわんばかりの甘い声で、耳元に息がかかるように、オレの想いが伝わるように。
そうしたら大抵イルカさんは、オレの息がかかるのをくすぐったがって、体をよじりながらくすくすと笑い出す。
くすぐったがりで笑い上戸の、オレの恋人。
ねえおかえりなさいは?ってねだると、
「さっきもう言ったじゃないですか」
そう笑いながらもう一度、優しい声でおかえりなさいって言ってくれるから、そうしたらオレももう一度、
「ただいまイルカ先生」
って言いながら腕の中のイルカさんをくるりと回して、丁度向かい合ったところで目の前の唇にただいまのキスを一つ、贈るんだ。

そんな他愛もない事が、今のオレの一番の楽しみだったりする。


20061004(Wed)  いや生きてはいるんですよ…。
なんだろうこの時間の無さ…。

やる事はとりあえず帰ってからで!
仕事行ってきます。
雨いやだわー。

週末はサークル参加ではありませんが、コミックスパークとかオンリーとかに出没する予定です。
7日のスパークは十二国で参加の面丸さんのスペースに、売り子で座っています。
ごめん新刊は出なかった…。
9日のオンリーは、No-07.の鼎さんちに、委託で既刊を置いていただきます。
8日は一般で遊びに行こうかどうしようか。
9日、私はJ庭に本を買いに行っていると思います。BLANK ROMANCERさんのところで売り子お手伝いしているかもしれません。
西門さんがサークル参加しているので新刊がとても楽しみですよ。笹の描いたという表紙がものすごかった…さすが…。


最近通勤路として市庁舎を通り抜けているのですが、たまに市長が出勤してくるのに出くわす。登庁?
玄関先に警備員さんとか何人も立っているので、ああそろそろ来るなって分かるのですが、先日正面の自動ドアを出た瞬間に、目の前に黒塗りスモークガラスの車が止まって扉が開いたのには驚いた。ぶ、無用心過ぎないか…?私通行していいの…?市長と1メートル弱でした。私が鉄砲玉だったら成功してると思う、なんて真剣に心配してしまった。
そんなニアミスもある楽しい通勤。


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